コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

「マスクさえしていればいい」と思ってはいけない理由

マスクの材質やつけ方で差が出る(C)PIXTA

「ただし、これらの研究結果はあくまでも実験室内での話です。それですら適切に装着しなければその防御効果は低下し、マスク単体ではウイルスの吸い込みを完全には防ぐことができないことを東大医科研の研究グループも認めています。しかも富岳の実証実験では、マスクは正しく装着していても、20マイクロメートル以下の小さな飛沫に対する効果は限定的であり、マスクをしていない場合とほぼ同数の飛沫が気管奥にまで達すると報告しているのです」

 つまり、マスクをつけていれば安心というわけではなく、ソーシャルディスタンスや換気といったその他の感染予防と組み合わせない限り効果は限定的というわけだ。

「そもそも、どのくらいの量のウイルスが体内に侵入すると感染するのかは誰もわかっていません。感染経路も、感染者が吐き出し空中に浮遊する5マイクロメートル未満のエアロゾルの中からウイルスが検出されたことが事実としても、それを1個吸い込んだら必ず感染するわけではありません。つまり、『マスクで○%ウイルス量をブロックした』ということが感染リスクを低下させる、というのはウイルスを浴びた量が多ければ多いほど感染しやすい、という確率論からくる推測に過ぎないのです」

 マスクの着用は必要だ。だからといってその力を過信してはいけないが、つけるのであれば、不織布マスクにこだわるべきということだ。

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