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物忘れが酷くなってきた… 「認知症」以外に疑われる病気は?

精神神経科心療内科の澤田法英氏(提供写真)

 また、心身の疾患以外に抗コリン薬、向精神薬(睡眠薬、抗不安薬)などの薬剤の副作用で認知障害が出現することもあります。

 いずれにしても原因をはっきりさせることが第一歩ですから、記憶力が低下したと自覚する人は年に1度、精神科、心療内科、物忘れ外来を受診してみてください。診察は、おもに問診、画像検査(MRI・CT)、簡単な計算や単語を記憶・想起してもらうなどの認知機能検査です。MRIやCTを撮りますので、あらゆる脳の病気の可能性が判断できます。

「加齢による物忘れ」ではなく「認知症」を疑う目安はあります。以前と人柄が変わった、暗算ができない、慣れ親しんだ地域の中で道に迷う(家に帰れなくなった)、朝の食事内容を忘れる、誰かにお金を取られたなどの妄想がある、月に1度は財布や携帯をどこかに置き忘れてしまう、着衣ができない(洋服を前後ろ逆に着る、季節感が合わない服装を選ぶ)といったことがある場合、要注意です。自分自身はもちろん、家族が該当していないかどうかも気を付けておきましょう。

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