小林教授によると、歯科診療でコロナ感染が起きていない理由として、やはり消毒の徹底が挙げられるという。
「オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)による滅菌の施行、消毒アルコール、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒の習慣がコロナ以前から身に付いていました」
■平熱より1度高ければ発熱と捉える
院内感染防止のために、医療従事者やスタッフが正しい知識を持ち、標準予防策を全員が確実に行う。その中には歯科医院ならではの対策とは別に、私たちが日常に取り入れたいものもある。
まず、体調管理だ。
これまで「コロナでも症状がない人が多い」といわれてきたが、そうではないことが最近の報告で分かった。
「ベルン大学の79研究、6616例のメタ解析では、無症状のまま経過する割合は20%、症状が出現する割合は80%と、ほとんどが有症状との報告です。これまで無症状者が50%や70%と特定の地域のみの報告でしたが、結局、無症状者はインフルエンザよりやや多いくらいということになります」