私たちがゴボウと呼んでいる長いゴボウは江戸野菜の滝野川ゴボウから品種改良されたもので、11月ごろから旬を迎えます。
ゴボウにはさまざまな栄養成分が含まれていますが、最近話題なのは水溶性食物繊維である「イヌリン」や、不溶性食物繊維である「リグニン」です。イヌリンを摂取することで中性脂肪をつけにくくしたり、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。リグニンは腸内で便量を増やし、蠕動(ぜんどう)運動を促す働きがあるので、便秘解消に役立つとされています。これらの効果をより感じるには夕食前に食べると血糖値の上昇が抑えられることがわかっています。
また、イヌリンは腸内細菌叢(そう)を整える働きをもつプレバイオティクスとしての働きもあります。イヌリンを、絶食時間が長い朝食に摂取すると、腸内細菌叢に大きく影響を与え、腸内環境を改善することが報告されています。ゴボウでも同様の検証を行い、成果を出しています。
時間栄養学と旬の食材