脂質異常症と診断された場合、治療はまず食生活の改善だ。
「これまでコレステロールや脂質の多い肉の脂身、卵、乳製品などが多い洋食を中心とした食生活をしていたのなら和食などに変えて、野菜を多くとるようにしましょう。また夕食が夜遅い時間だとカロリーや脂質などが消費されないまま就寝することになり、コレステロール値が高い状態のままになる。夕食は早めに済ませましょう。ただし、食事の回数を減らすと1回あたりに吸収するカロリーや脂質が多くなりやすい体質に変化する。1日3食を規則正しくとることが重要です」
食事に気をつけていて痩せ形なのに50代未満で老人環が出たという人は、家族性高コレステロール血症の疑いがある。
「家族性高コレステロール血症は生まれつきの疾患です。肝臓の細胞表面にあるタンパク質『LDL受容体』の遺伝子やそれに関連する遺伝子に異常があるために血液中のLDLコレステロールが細胞内に取り込まれず、血液中にたまりやすくなり、脂質異常症の中でも心筋梗塞などのリスクが最も高くなります」
目は口ほどにモノを言う。年をとればとるほど、ときに自分の目を観察することが大切だ。