コロナ禍で増える“ストレス歯痛”とは…歯科医が解説

写真はイメージ

 今年は、新型コロナ感染に対する不安や、日常生活に制限を受けるストレスが増大している。さらに、テレワークや外出自粛が続いた影響により、自宅でパソコンの前に長時間座っていたり、スマートフォンを操作したりする機会が大幅に増えたという人は多い。人間は集中すると無意識に歯を食いしばる傾向が強く、「グラインディング(歯をこすり合わせる歯ぎしり)やクレンチング(無意識に歯を強く噛みしめたり食いしばる)では、睡眠中の非覚醒時よりも覚醒時の方が強い力がかかる可能性がある」という報告もある。つまり、コロナ禍でもたらされるストレスや生活習慣によって、虫歯でも歯周病でもない歯痛に悩む人が増えているのだ。

■付箋紙を使って食いしばりを防ぐ

「咬合性外傷の痛みに対する治療は、負担がかかっている歯を少し削って噛み合わせの調整を行いますが、過度の食いしばりや歯ぎしりの原因になっているストレスを解消したり、生活習慣を見直したりしなければ同じ歯痛を繰り返す可能性が高いといえます。噛み合わせを改善しようとすぐにマウスピースを作ろうとする歯科医もいますが、患者さんにとってはマウスピースを装着すること自体、大きなストレスになる場合が多い。ですから、まずは日常生活で無意識に行っている食いしばりを減らす工夫を実践するのがお勧めです」

2 / 3 ページ

関連記事