3カ月経って、呼吸器内科を受診した後、その女性が私のところに寄ってくれました。爪の色は変わっていませんでしたが、体調は良好で元気でした。
■抗がん剤の副作用で爪が変色することも
爪は大きな病気をすると、その2、3カ月後に変形することがあります。まれですが、爪そのものにも悪性黒色腫のようながんができる場合もあります。
また、抗がん剤治療を受けている患者では、多くは投与期間が長くなった場合ですが、皮膚とともに爪が黒くなることがあります。表皮基底層や毛嚢、爪の細胞は、細胞分裂が活発であるため、抗がん剤の影響を受けやすいのです。
抗がん剤による手足の皮膚や爪に生じる副作用は、総称で「手足症候群」といわれます。皮膚や爪に障害を起こす可能性のある抗がん剤には、フルオロウラシル(5―FU)、TS―1、カペシタビン、ドセタキセル、パクリタキセル、シタラビンなどがあります。また、分子標的薬でも、皮膚炎、爪囲炎の副作用が見られます。皮膚の症状が進行すると、水疱や潰瘍で歩行困難になる場合もあります。
がんと向き合い生きていく