がんと向き合い生きていく

「爪が黄色い」患者さんを検査すると肺に胸水が見つかった

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 抗がん剤や分子標的薬による治療を受けていて思い当たる方は、遠慮なく症状の早い時期に担当医に相談されるといいでしょう。

 対策として、抗がん剤投与の加減、保湿剤などのスキンケア、時にはステロイドホルモン外用薬を用います。体調不良、あるいは病気にかかっている場合は、マニキュアなど爪の美容はあまり勧めません。診察の妨げになるためです。

 皮膚も爪も体の大切な一部です。新型コロナウイルスの感染対策で、お互いにマスクを装着しながらでも構いません。皮膚でも爪でも、何か変わったことや気になる点があれば、担当医にしっかり話してください。

 冬は空気が乾燥する時期です。皮膚も爪も、いたわりながら過ごしたいものです。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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