医者も知らない医学の新常識

睡眠は長くても短くても認知症の危険が増す 米で最新論文

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 皆さんは、毎日何時間くらい眠っていますか? 健康な睡眠は実は脳の機能の重要なバロメーターのひとつです。

 昼間の眠気や居眠りについては、認知症の危険性や認知機能の低下と関連があるという、多くの報告があります。

 夜に夢を見て実際に暴れたりする症状を「レム睡眠行動異常」と言いますが、それが認知症になる前から出現している、という知見もあります。

 つまり、睡眠の状態と認知症というのは、意外に深い関係があるものなのです。

 それでは、睡眠時間は長い方がいいのでしょうか、それとも短い方がいいのでしょうか? 

 2017年に発表された論文では、「睡眠時間が長いほど認知症の危険は増す」という結果になっていました。

 今年の米国医師会関連の医学誌に、イギリスと中国の大規模な疫学データを、まとめて解析した最新の論文が掲載されています。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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