それまでは300人しかいなかったフォロワーが、がんを公表してからぐんぐん増えて、最高はブログ17万人、インスタグラム30万人にもなりました。そうなったとき、「ここで自分が心折れたらたくさんの人を失望させてしまう。負けちゃいけない。病気を治して元気な姿を見せるのが私の使命だ」と感じ、大きなエネルギーになったんです。
SNSに光と影があるとすれば、私は番組などでは主に「危ない」「怪しい」という影の部分を報道する立場にいました。でも、がんになったらほぼ光しか感じませんでした。SNSでこんなに勇気づけられるものなんだと実感できたことは、これまでにない気づきでした。
以前から私は「人生はプラマイゼロでできている」と思っているんです。ずっと右肩上がりの人生もなければ、右肩下がりの人生もない。ひどい状況になっても、こらえて上を向いていれば上向きな人生になっていくって。その通り、病気で仕事を失い、収入を失いはしましたけれど、新たな出会いや新たな絆を得ることができました。
独白 愉快な“病人”たち