Dr.中川 がんサバイバーの知恵

ネットに赤裸々投稿 AV男優・沢木和也ががんで学んだこと

がんになってからの経緯や息子さんへの思いを記録(自身のnoteから)

 声帯を動かしている神経は、脳から首を伝わって食道に沿って下りていき、肺のあたりからまた上にあがって喉にある声帯につながります。リンパ節転移でその神経がマヒすると、声がかれやすくなるのです。

 最後に4つ目が、病院の選択。周りに築地の国立がん研究センターか有明のがん研有明病院を勧められたそうです。当時はコロナ禍の拡大で、「普通の総合病院を選んでいたら、診察すらしてもらえなかった可能性が高かった」と振り返っています。確かにそうで、コロナ禍では都道府県のがん診療拠点病院がいいでしょう。

 しかし、高齢だと、ほかに持病があったりしますから、がん以外の病気への対応を考えると、がんに特化した拠点病院より実力のある大学病院がベターだと思います。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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