独白 愉快な“病人”たち

「息子が卒業するまでは」がんと闘うAV男優の沢木和也さん

沢木和也さん(C)日刊ゲンダイ

 40歳で子供ができたときに人間ドックで全身を調べたし、ときどき胃カメラ検査もしていたから、自分は健康だと思っていた。それにどちらかといえばうちは脳出血の家系だったから、がんは本当に意外だった。

 原発が2つとわかって、国立がん研究センター中央病院に移ったら、そこで骨盤への転移も見つかった。でも、まずは原発である喉と食道への抗がん剤と放射線治療が優先されて、5日間入院して、1回96時間(4日間)の抗がん剤投与をして、その後は自宅で3週間休むというクールを2回やった。

 ほぼ同時進行で放射線治療も行い、約50日、土日以外は毎日がん研に通った。自宅からだと片道約30キロ。車の運転は嫌いじゃないから楽しかったけど、たった5分の放射線のためによく通ったよ(笑い)。

 おかげで、食道と喉のがんは目で見てもわからないくらい小さくなった。でもその間に、手を付けていなかった骨盤の方に痛みが出てきて、片脚を引きずるようになったんだ。腸骨という部分がグチャグチャになってるって。ただ、それも放射線をして時間が経つと骨ができてきたから、今はなんとか歩けるところまで回復した。

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