独白 愉快な“病人”たち

「息子が卒業するまでは」がんと闘うAV男優の沢木和也さん

沢木和也さん(C)日刊ゲンダイ

■オプジーボから先の治療をやるつもりはない

 もっとも、モルヒネみたいな痛み止めの麻薬を何種類も飲んでいる。常に軽い痛みはあるから毎日飲んでいて、発作的にやってくる激痛用の薬も持っている。それは、「あ、来るな」ってタイミングで飲まないと効かなくて、それを逃して発作が始まると1時間はまったく動けなくなるんだ。そうかと思えば、今度は肺や腎臓に転移が見つかって、今はオプジーボという新薬を2~3週間に1回、近場の病院で1時間かけて点滴しながら経過を見ているところ。すでに手術もできない状態だったし、がん研ではもうやることがないってことなんだ。

 オプジーボは、肺や食道に効くといわれている薬らしいから期待しているんだけど、じつは効くのは3割ぐらいで、10人のうち7人には効かないともいわれてる。これでダメだったら、ほかの抗がん剤を組み合わせて試すって話だけど、医師は「効果が低くて副作用はつらい。やるかやらないかは沢木さんが決めてくれ」って……。だから今のところオプジーボから先の治療をやるつもりはないんだ。ただ、「抗がん剤をやめたほうが長生きできる人もいる」というのがポジティブ材料かな。実際、がんが落ちついて今は人生で一番食欲があるので、薬は医師と相談しながら徐々に減らしている。

3 / 5 ページ

関連記事