コロナ第3波に備える最新知識

有効性9割超「mRNAワクチン」はどこまで期待していいのか

米ファイザー社の新型コロナウイルスワクチン(C)ロイター/Dado Ruvic

「今回の治験では、長くても3カ月後の効果までしか検証されていないため、ワクチン接種によって感染を防げるのは、どれくらいの期間なのかはわかっていません。また、陽性が確認された被験者の詳細も発表されていないので、ワクチンが重症化や合併症を予防できるかについてもはっきりしません。そうした課題はいくつもありますが、画期的なワクチンであることは間違いなく、ある程度の期待はできると考えています」

■ウイルスの「スパイクタンパク質」だけを作る

 今回のワクチンが画期的とされるのは「メッセンジャーRNA」(mRNA)を使ったところにあるという。ヒトの体内に侵入したウイルスが増殖するには、細胞にくっついて内部まで入り込む必要がある。そのために、ウイルスは自身の表面にある突起状の「スパイクタンパク質」を鍵として使い、鍵穴にあたるヒトの細胞膜上の「ACE2受容体」に結合させる。

2 / 3 ページ

関連記事