AIが築くクスリの未来

人工知能活用で新薬開発のコストと期間を大幅に短縮できる

写真はイメージ

 人工知能(AI)は新薬の開発=創薬に生かすことができるのではないかと期待されています。

 一般的に新薬の開発コストは1000億円以上かかり、ヒトに投与できるようになるまでには10年以上の期間が必要とされています。開発は薬の候補となる物質を探索するところから始まり、候補物質を加工し、非臨床の実験を重ねた後、臨床試験のフェーズ1、2、3をクリアした後にようやく販売されるようになります。多くの候補物質が“ボツ”になり、販売できるようになるのは2万~3万分の1程度とされています。ボツになるのは効果がない、または副作用(毒性)が強いというのが主な要因です。

 そんな新薬の開発を高効率に進めるために、AIが使われ始めています。候補物質の探索、有効性や安全性の試験を仮想空間、つまりコンピューター上でこれまでの実験で得られた膨大なデータを基にシミュレーションすることにより、実験にかかるコストや期間を大幅に短縮できるのです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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