AIが築くクスリの未来

人工知能活用で新薬開発のコストと期間を大幅に短縮できる

写真はイメージ

 さらに、ヒトに投与した際の有効性や安全性についても、コンピューター上で予測することで、開発を進めて臨床試験に入ってから脱落してしまう頻度を抑えることもできます。

 薬の特性(構造や溶けやすさなど)や病気の特徴、ヒトの特徴などさまざまなデータをAIに学習させることで、これまでは見いだすことが難しかった有効性や安全性に関するパターンを自動で導き出すことができるようになり、新薬開発の成功率をぐんと上げることが可能になるのです。

 このようなAI創薬に関連したベンチャー企業もたくさん出てきています。

 今後はAI創薬が新薬開発のトレンドになり、新薬の開発コストが下がることや開発期間が短縮されるなど、患者にとっても喜ばしい状況になっていくことでしょう。

2 / 2 ページ

神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

関連記事