新型コロナ重症化は抗うつ薬で抑えられる ワシントン大が発表

コロナ禍はまだまだ続く(C)日刊ゲンダイ

 では、なぜフルボキサミンがコロナの重症化を防ぐことができるのか?

 コロナに感染すると、ウイルスは細胞小器官の一つである「小胞体」という場所で複製し、増殖する。この際、引き起こされるのでは、と考えられているのが、小胞体ストレス(炎症)だ。小胞体ストレスは細胞にダメージを与えるので、症状が重症化する。

 一方、小胞体に存在するシグマ―1受容体には、小胞体ストレスを抑制する働きがある。つまり、症状を重症化させない。シグマ―1受容体に強く作用するフルボキサミンを服用することで、小胞体ストレス抑制機能が働き、コロナの重症化を抑制できるのだ。

「今回の研究は152人と対象者が少なく、フルボキサミンがコロナに効くメカニズムも仮説段階です。今後、多数の症例で調べる必要があるものの、非常に画期的な結果。コロナに感染しても重症化を予防できれば、コロナは怖い病気ではありません」

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