時間栄養学と旬の食材

【マグロ】朝にご飯と一緒に食べて高血圧や動脈硬化を撃退

釣りたてよりスーパーの方がおいしい!?
釣りたてよりスーパーの方がおいしい!?(C)日刊ゲンダイ

 マグロの名前の由来には、マグロの目が黒いので、「目黒」と書かれたことから次第にマグロと呼ばれるようになったという説、背中の色が黒く、海面から見ると黒い面しか見えないことからマグロと呼ばれるようになった説があります。寿命は10年から30年といわれており、泳いだまま一生を過ごします。時速100キロの高速で泳ぐため、水の抵抗が少ない流線形になっていることも特徴です。

 マグロは、良質なタンパク質を多く含み、筋肉や皮膚など体をつくる働きをします。血合い(魚の背と腹の間に存在する赤色線維筋と呼ばれる部分)のところにはアミノ酸の一種であるタウリンが、タンパク質の働きをサポートするとともに、内臓の機能がUPします。貧血の軽減や防止に効果的な鉄、ビタミンB12、大人だけでなく胎児や乳児の脳の状態・免疫機能などにも効果が期待できるとされるビタミンB6なども含まれています。

 特にトロには、頭の働きをよくするといわれるDHA、血中のコレステロールや中性脂肪を減らし、血液をサラサラにしてくれるEPAも豊富! 時間栄養学的にはDHA、EPAは朝に炭水化物と一緒に食べることで朝型になるというデータも出ていますので、ぜひ朝ご飯に食べてみてはいかがでしょうか。

 DHA、EPAは加熱すると少し効果が弱まりますのでより効果を得たい場合はお刺し身で。更に効率よく栄養素を取るためには、ワサビとマグロを一緒に食べるといいでしょう。高血圧や動脈硬化の予防になるといわれています。山芋と一緒に食べると、タンパク質を分解する働きがUPするので、山かけ丼などがおすすめ! 時間栄養学的にもバッチリです。

 新鮮なマグロにはうま味成分であるイノシン酸の量が少ないので、新鮮じゃない方がおいしいとされています。イノシン酸が生成されるまで数日要するので、釣りたてよりも、スーパーに売られているマグロの方がおいしいことがあるのです。スーパーに並ぶときは既に数日経過しているものがほとんどですので、できるだけ早く食べ切るようにしましょう。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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