Dr.中川 がんサバイバーの知恵

日米調査で判明 心筋梗塞とがんの患者数減少の意味の違い

検査はためらわないで(C)日刊ゲンダイ

 生活習慣病の治療をきちんと受けているかどうかはともかく、心筋梗塞や狭心症は症状が表れて発見されます。米国での患者数減少報告は、検査自粛による影響というより、実は病院がコロナ以外の病気に対応できないことを意味する方が大きいかもしれません。

 がん患者の検査数や治療数の減少は、検査自粛の影響が強い。“自爆”の側面が否定できませんから、背景は随分違うのです。

 つまり、コロナ以外の病気のデータは、医療崩壊が目前に迫っていることを突きつけています。次回は、医療崩壊の影響について説明しようと思いますが、皆さん、がん検診や持病の検査はきちんと受けましょう。年内は混雑しているので、閑散期の年明けから3月までにぜひ!

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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