日本でコロナ死が少ない理由「日本脳炎ワクチン」の可能性

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 その後、重篤な副作用との関連が指摘されたことで2005年に接種が一時見合わせとなったが、安全性の高い新ワクチンが開発され、10年からは接種の積極的勧奨が再開された。

 抗体がしっかりできるまで4回の接種が必要で、多くは3歳時に2回、2回目の1年後(4歳時)に1回、9~12歳の期間に1回接種する。積極的勧奨の見合わせで接種を受けていないケースがあり、1996~2007年度に生まれた世代は接種が不十分だ。

「そして、日本国内の中で北海道だけは長らく日本脳炎ワクチンの定期接種が行われていませんでした。ウイルスを媒介する蚊が生息していないとされていたからです。北海道で定期接種が始まったのは2016年の4月からで、それ以前の世代はフラビウイルスに対する免疫ができていないのです」(加藤院長)

 北海道は、日本で最も早く新型コロナの感染が拡大し、国内で初めて緊急事態宣言が出されたエリアだ。

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