最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

在宅医療とはどのような医療でしょうか?病院との違いは?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 例えば患者さんでよくあるケースが「食後に飲む薬」を余らせることです。最近は1日2食の人も珍しくありませんよね。そういう患者さんに朝昼晩と食後3回飲む薬を出すと、どうしても1回分が余ってしまいます。そんな時は、最初から朝と夜の薬で、症状をコントロールできる処方を考えるわけです。

 つまりは、患者さんの生活や個人差に配慮したテーラーメードな医療が在宅医療なのです。そうしないと、患者さんに喜んで受け入れてもらえないわけで、そうなると在宅医療をする意味がなくなってしまいます。

 在宅医療に関わる上で僕は「人さま(患者さん)の生活を管理する」などと考えてはいけないと、常々戒めています。一緒にチームを組むスタッフともその認識を共にし、日々治療に当たっています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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