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生物学的製剤が有効との研究報告 糖尿病が治る時代が来る?

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 糖尿病には1型と2型という2種類があります。1型は普通子供の頃に発症し、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が急激に低下するので、早い時期からインスリンの注射が必要になります。自己免疫といって、自分の体を守る免疫の一部が、自分の膵臓を攻撃して炎症を起こすことが、その原因ではないかと考えられています。

 この病気になった人は、膵臓移植をする以外は、一生インスリンの注射を続けないといけません。

 ではこの病気を薬で治すことは出来ないのでしょうか? 関節リウマチや潰瘍性大腸炎は、どちらも自己免疫の病気です。最近こうした病気に生物学的製剤という薬を使用して、従来の薬には見られないような効果があることが確認され、実際に使用されています。体に炎症を起こす物質を炎症性サイトカインといいますが、その一つである腫瘍壊死因子を抑えてしまうという薬です。1型糖尿病にも、この薬が有効なのではないでしょうか?

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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