独白 愉快な“病人”たち

矢方美紀さん 25歳で乳がんに「世界の見え方が変わった」

矢方美紀さん(本人提供)

 20代の乳がん患者は乳がん患者全体の3%しかいないといわれていますけど、調べてみれば同い年でも乳がんの人は何人かいて、「自分のように困ったりつらい思いをしてほしくない」という思いから、自分が経験したことや工夫したことをネットで発信していたんです。

 最初は、自分ががんについて発信することに何の意味があるんだろう……と思っていましたが、番組を通してたくさんの出会いがあり、世界の見え方が変わりました。「私もセルフチェックをしました」「自分を大事にしようと思いました」「大切な人が周りにいると気付きました」といった反響をいただくと、発信する意味があったと思いますし、改めて発信できることの幸せを感じています。

 そういえば、こんなこともありました。放射線治療を受けている時、いつものように腕を頭の上に上げて台にあおむけになっていたら、技師さんが唐突に「乳がんダイアリーを見ました」と言ってくれたんです。病院の技師さんも番組を見てくれているんだと知って、すごくうれしかった。ただ、「このタイミングで言う?」って思いましたけどね(笑い)。

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