病気を近づけない体のメンテナンス

脳<下>ランセット誌に掲載 認知症を回避する9つのポイント

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 運動も認知症予防になる。中でもハッキリ効果が報告されているのは、ウオーキング、水泳、エアロビクスなどの「有酸素運動」だ。高齢者を5年間追跡調査した海外の研究では、歩行よりも強い有酸素運動を週3日以上行っていた人たちは、そうでない人たちに比べて認知症を発症するリスクが、有意に低いことが報告されている。

 認知症予防に効果が期待できる有酸素運動には、国立長寿医療研究センターが提唱・実践している「コグニサイズ」がある。例えば、左右にステップを踏みながら、歩数が3の倍数になったところで手を叩くというふうに「有酸素運動+知的活動」で体と頭を同時に活性化する運動だ。

 しかし、もっと簡単にコグニサイズができる方法がある。

「これまで運動習慣がなかった人は、まず『週3回、30分の早歩き』を目標に始めてみてください。その際に、すれ違う自動車のナンバープレートを見てください。そして、例えば『1188』なら、『いいパパ』とゴロ合わせの言葉を考えてみる。または、最初の2ケタの数字と後の2ケタの数字を足したり、引いたりしてみる。4ケタを足してみる。1万から4ケタの数字を引いてみる。このようなことでも体と頭を同時に鍛えるコグニサイズになります」

「社交ダンス」や「ゴルフ」もコグニサイズの一種という。社交ダンスのステップを覚えるのは認知機能を鍛えることになり、何より“異性との接触”が脳にいい。ゴルフはスコアをカウントしたり、風向きやコースのつくりによって、どう打つか頭を使うからだ。

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