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ほくろが年々大きくなって…がんにならないでしょうか?

形成外科、美容皮膚科の松澤宗範氏(提供写真)

 ほくろ(色素細胞母斑)が大きくなると皮膚がんなのではないかと不安になる方がいます。基本的には生まれつきある“先天性のほくろ”には注意が必要ですが、成長していく過程で母斑細胞が増殖してできる“後天性のほくろ”はがん化する危険は低いと考えていいでしょう。

 先天性の場合はパターンがあり、顔や背中などに巨大色素細胞母斑(直径20センチ以上)があると「メラノーマ」(悪性黒色腫)が発生する可能性が2・3~7・5%、中型(20センチ以下)や小型(1・5センチ以下)でも0・8~2・6%に発症の可能性があります。メラノーマとは皮膚がんのひとつで、メラノサイトと呼ばれる色素をつくるほくろの細胞(母斑細胞)が悪性化した腫瘍のことです。

 後天性のほくろががん化するケースは極めてまれです。たとえば後天性のメラノーマは10万人に1・1人という低い発症率です。顔などの目に見える場所だけでなく、手のひらや足の裏といった日常的に刺激を与える部位または口の中の粘膜や目の結膜にできることもあります。リンパへの転移もしやすいので、早期発見が大事になります。

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