新型コロナに勝つ「呼吸術」ハーバード大客員教授が教える

科学的に裏打ちされた呼吸法をすることが大事

 実際、腹式呼吸を数回繰り返すと、手先まで温かくなったり、指先まで血が通う感じがするとの感想を漏らす、根来医師の患者さんは少なくないという。

■アスリートへの指導で大きな成果

 とはいえ、本当にこの根来式「4・4・8呼吸法」でウイルスに対する抵抗力は高まるのだろうか? 現在、根来医師はアスリートへの呼吸指導を行っていて、良い結果を得ているという。

 たとえば、今年の箱根駅伝で優勝した青山学院大学のA選手の場合は、重要レースがめじろ押しの冬にはインフルエンザ、ノロウイルスに感染しやすく、レースはもちろん練習にも支障をきたしていたという。ところが、指導により、インフルエンザはもちろん風邪すらひくことがなくなったという。

「指導を始めてすぐに、選手たちの血液成分や脳波、自律神経のバランス(交感神経と副交感神経の活動割合)や自律神経の総合力を示すトータルパワー、毛細血管や骨の状態などを調べました。その結果、A選手は自律神経のバランスが交感神経優位に傾いていて、トータルパワーが730と同世代の平均900から2割も低い状態で毛細血管もこの世代からすると悪くて、いわゆるゴースト化が進んでいる状態でした。そこで呼吸法を取り入れ、睡眠時間や朝食にも気を配ることでトータルパワーが1200まで上昇、毛細血管に血液がきちんと流れるようになり、感染症になりにくい体に変わったのです」

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