秒速薬膳でアッという間に健康に

「肝」の働きをアップ!タコ・白菜・ゆずで二日酔いを解消

タコと白菜浅漬けのゆず風味
タコと白菜浅漬けのゆず風味(提供写真)

 オーダーしなくてもすぐ飲めるし、終電も気にしなくてOK。ついつい飲みすぎる「Zoom飲み会」で二日酔いというあるまじき事態……。

 快適テレワークのためにも、「薬膳的二日酔い解消テクニック」で早めの復活を目指しましょう。

 中医学では、二日酔いは過度の飲酒で解毒をつかさどる臓器「肝」の機能が低下し、体内に余分な熱が発生している状態と考えます。

 つらい二日酔いから速やかに回復を図るには、まず、肝の働きを強めること。そして、体内の熱を鎮めるとともに解毒力をアップさせ、しっかりと酒を抜くことが大切です。

 肝の働きを高めるのにおすすめなのが、タコ。飲酒で弱った肝の働きをサポートするとともに、体内の余分な熱も取り除く働きがあるので、ダブルで二日酔いに貢献してくれるうれしいシーフードです。

 ほかにカキ、ホタテ、シジミも肝のパワーアップに役立ちます。野菜では白菜が効果的。解毒力が高く、体内から酒を抜く働きが大。トマト、緑豆もやし、セロリもおすすめです。

 フルーツなら、ゆずが二日酔いの大きな味方。ズバリ「酒毒解消」という効能があり、酔いざましに威力を発揮します。食べすぎ・飲みすぎによる胃のむかつきを改善するというありがたい効果もあるので、酒飲みはゆずジュースを常備しましょう。さらに、柿、梨、リンゴも酒毒解消に役立ちます。

 また、二日酔い防止のために、そもそもこれらの食材をおつまみに取り入れておくのもおすすめです。

 ちなみにお酒を飲みすぎる日々が続くと、「肝の弱り」、そして体内が熱を持っているサインが表れることがあります。肝の弱りは目に出やすく充血、疲れ目、あるいはまぶたがピクピク震えるといった症状が出てきたら、かなり肝に負担がかかっている証拠だと思っていいでしょう。また、顔に吹き出物ができる、のどがやたらと渇く、のぼせる、便秘がちといった症状が表れるのは熱を持っているサインです。 飲んだ次の日にやけにお腹がすくという人がいますが、これは「胃が熱を持っている」ということです。熱の過剰なため込みは成人病の原因に!肝を守り、熱を蓄積しないで楽しくお酒と付き合うためにも、二日酔いお役立ち食材を上手に取り入れて日々、サポートを心掛けましょう。

■二日酔い解消薬膳レシピ
タコと白菜浅漬けのゆず風味

 肝の働きを高めるタコ、解毒力をアップする白菜、酒毒解消フルーツのゆずで、つらい二日酔いから一気に完全復帰を図る。タコブツと白菜浅漬けを使えばスピーディー調理が可能。タコとシャキシャキ白菜、ゆずとほんのりごま油の風味がマッチして、お酒のつまみにもよかったりするので「二日酔い防止おつまみ」としてもどうぞ。

【材料】2人分
・タコブツ切り  80グラム
・白菜の浅漬け  40グラム
・ゆずのしぼり汁  2分の1個分
・ごま油  少々

【作り方】
 ボウルにタコブツ切り、ザク切りにした白菜の浅漬けを入れ、ゆずのしぼり汁、ごま油を加えてあえる。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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