肺がん治療に新たな選択肢 2種の薬の組み合わせで余命が延びる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 抗VEGF抗体薬は新生血管ができるのを抑制し、がんの増殖を阻害する。そしてEGFR―TKIとの併用で相乗的にがんの増殖をより抑制できることがRELAY試験で証明されたのだ。

「着目すべきは、EGFR―TKI単剤では効き目が悪かったL858Rに対しても、エクソン19欠失と同様、効き目がよかった点です」

 ラムシルマブとエルロチニブ併用では、エクソン19欠失は19・6カ月、L858Rは19・4カ月とほぼ同じ結果。

 ちなみにEGFR―TKI単剤では、最もよく効いた場合でL858Rの患者群では14・4カ月。この新しい2剤併用療法なら、T790M耐性遺伝子によって効果がなくなっても、その後にオシメルチニブという手が残る。 

 使いやすさや副作用の問題からこの2剤併用がベストとはならないが、予後が良くない肺がんⅣ期で治療選択肢が増える意味は大きい。

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