最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

在宅医療を受けられるのはどんな人?限られた病気だけか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「在宅医療を受けられるのは、限られた病気や患者だけ」と考えている方が多いのではないでしょうか? しかし実際はそうではありません。私たちの診療所でも、さまざまな病気の患者さんを受け入れています。

 ではどのようなケースがあるのかというと、だいたい大きく4つに分けられます。

 まず、がん末期で残された時間を自宅で過ごすという方。次に、脳梗塞などの後遺症を伴う慢性疾患の方。そして、脳性麻痺などで幼少の頃から自宅で過ごしている方。さらに、高齢による病気や身体の衰えで通院が困難になっている方です。具体的には、がん、認知性、慢性心不全、狭心症、肺炎、パーキンソン病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などです。

 当然それぞれの病気に合わせた対処が求められ、そのための治療器具や薬剤を過不足なく準備しなければなりません。たとえば胃管管理及び交換、尿道カテーテル管理及び交換、人工肛門管理、人工呼吸器管理、腹水や胸水のドレナージ(排出)など。まだまだ数は少ないものの、病院でしかできないと考えられていた輸血も、最近は在宅で行う医療機関も出てきています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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