新型コロナは「血管」の病気 冬は血栓ができやすく要注意

血栓対策も必要(C)日刊ゲンダイ

■新型コロナ感染症は単なる上気道炎や肺炎ではない

 実際、新型コロナによる心筋炎もまれではなく、心不全の原因としてもコロナ感染症が注目されている。さらに、川崎病や大動脈炎などを生じることもわかっている。いまや世界中の精力的研究により、新型コロナ感染症の本態は血管内皮障害であることが証明されつつあるという。

「血管内皮は血管内を覆う一層の細胞層です。血管を拡張させる一酸化窒素やこれを縮めるエンドセリンなど数多くの血管に働きかける物質を分泌していて、血管壁の収縮・弛緩から、血管壁への炎症細胞の接着、血管透過性の調節などを行っています。生活習慣病やがん、それに感染などで酸化ストレスが加わると、血管内皮細胞や平滑筋細胞などから産生される活性酸素種が内皮細胞を傷つけます。その結果、炎症、免疫反応が生じ、それが毛細血管や大血管、全身の臓器に広がることで、急性心筋梗塞、脳梗塞や肺動脈血栓塞栓症などの急性血栓症や心筋炎・血管炎が発症したり、全身の臓器障害が生じることとなるのです」

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