新型コロナは「血管」の病気 冬は血栓ができやすく要注意

血栓対策も必要(C)日刊ゲンダイ

 血管内皮障害が起きると腎不全や肝障害に加えて間質性肺炎が生じるともいわれている。

「私の救急センター時代の経験でも、重症間質性肺炎の患者さんでは、酸化ストレスが亢進して深部静脈血栓症が生じやすく、血栓マーカーのDダイマー値と肺動脈圧の上昇が目立ちました。これは、その後の研究で静脈血栓塞栓症が生じているか、その前段階にある可能性が高いことが証明されています」

 このように、新型コロナ感染症は単なる上気道炎や間質性肺炎ではなく、全身の血管内皮にも影響が及ぶ血管病であることが明らかになりつつある。

「ですから、新型コロナウイルス感染症の正確な診断と評価には、感染確定にPCR検査、肺炎診断のためのCT検査はもとより、血栓症診断のためのDダイマー測定、心臓と末梢動静脈超音波検査、全身の血管と血流を見るためのMRA検査が必要です。また、冬はただでさえ寒さで血管が締まりやすく血流が滞り血栓ができやすくなるので注意しましょう。新型コロナに万一感染しても重症化しないためにも体を適度に動かして、ストレスをためない生活習慣を続けることが大切なのです」

 あなたは大丈夫ですか?

4 / 4 ページ

関連記事