最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

他人を家に入れたくない独居老人が在宅に結びついたのは…

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 前回、在宅医療の患者さんのパターンはだいたい大きく4つに分かれるとお伝えしました。

①がん末期で残された時間を自宅で過ごす方②脳梗塞などの後遺症を伴う慢性疾患の方③脳性麻痺などで幼少の頃から自宅で過ごす方④高齢による病気や身体の衰えで在宅に移行した方の4パターンです。

 ①~③の患者さんの年齢はさまざまですが、在宅医療全般で見ると、割合でいえば70歳代以上の患者さんが比較的多いと言えます。そしてそんな中には、ひとり暮らしの方も少なくありません。在宅医療では、そういったひとり暮らしの生活を守るためのお手伝いも重要な仕事と心得てやっています。

 とはいえ、生活スタイルはさまざま。最初から在宅医療を喜んで受け入れてくれた方ばかりとも限りません。特にある程度の自活をしながら認知症へ移行しつつあるような方では、外部との接触を極端に避けたがるケースもあります。そういった場合、地域包括支援センターとの連携が不可欠ですが、そんなセンターとの関わりを示す例として、ひとり暮らしの高齢の方で実際にあったケースを紹介しましょう。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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