独白 愉快な“病人”たち

つらさが理解されない…上矢えり奈さん「内斜視」との苦闘

上矢えり奈さん(C)日刊ゲンダイ

 再び症状が出始めたのは、上京してアイドルとしてお仕事をするようになり、心身の疲労がたまり始めた頃でした。しばらくやめていた薬を再び飲み始め、それでも症状が頻繁になり、寝ても以前のようには改善しなくなったのです。

 1年ぐらいそんな状態でアイドルを続けていたのですが、立ち位置や距離感が分からなくてメンバーにぶつかってしまうし、ファンをまっすぐ見られなかったりして、はたから見れば挙動不審者……。照明の光の影響などもあって、悪化の一途をたどりました。事務所の協力を得ながら東京で病院を探して何カ所も回り、脳のMRIなども受けました。でも原因が分からず、最終的にはいつも「精神的なものじゃないですか?」「ストレスをためないで」という決まり文句でおしまい……。すっかり、病院不信になってしまいました。

 2013年、倦怠感、頭痛、立ちくらみにも悩まされて、「このままではもうステージに立てない」と思い、意を決して誕生日イベントで目の状態やその胸の内を告白しました。

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