独白 愉快な“病人”たち

音楽を生業にしているのに…月光恵亮さん難聴との闘い語る

月光恵亮さん(C)日刊ゲンダイ

 音楽を生業にしているのに耳が聞こえないなんて……とにかく焦りました。でも、40年以上、音楽だけをやってきたので音楽以外で食べていく方法を知りません。ですから、音楽を続けるしかありませんでした。

 弟子のような存在だったギタリストに現場についてもらってサポートしてもらいながら、何とかプロデュース業を続けました。ただ、難聴は治らない病気。もともと耳が弱かったうえ、長年耳を酷使し過ぎたことが原因です。聞こえが徐々に悪くなっていくのがわかりました。

 それで一昨年、「もう限界だな。これ以上やったらまったく聞こえなくなってしまう」と思い、「High NA(ハイナ)」というグループのシングルを手掛けたのを最後に、プロデュース業とは決別する決心をしました。

 実は、音楽業界には難聴を患う人が少なくありません。人工内耳の手術を勧められたこともあります。でも、僕には合っていないと思い受けませんでした。今は通院もしていません。

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