独白 愉快な“病人”たち

音楽を生業にしているのに…月光恵亮さん難聴との闘い語る

月光恵亮さん(C)日刊ゲンダイ

 僕の祖父は、京都にある世界遺産の龍安寺の襖絵を描いた絵描きで、僕も子供の頃から絵が描けました。引きこもり気味で絵ばかり描いていたので、心配した兄が引っ張りだそうと音楽を聴かせてくれて、僕の人生が変わったんです。

 耳が聞こえなくなって音楽を奪われていったとき、また少しずつ描くようになり、3年前に大きな過ちを犯した頃から「これからは絵を自分のメインにしよう」と思い、本格的に始めました。耳が聞こえていたら、おそらく絵をもう一度描くようにはならなかったと思います。

 この3年で700点ほど作品を描き、20年2月には個展を開催しました。作品はタブレットを使ったデジタル絵、キャンバスに描く絵、コラージュなどです。よく描くウサギのキャラクター「フルメタルラビット」のファンがどんどん増えています。それが今の僕の大きな励みになっています。

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