病気を近づけない体のメンテナンス

食道<上>専門医が教える胃食道逆流症の原因と5つの改善策

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 喉から胃の入り口までをつなぐ、長さ約25センチの管状の臓器「食道」。壁の厚さは約4ミリで、断面として見ると左右約2センチ、前後約1センチの楕円形をしている。食道は普段は平たくつぶれていて、食べ物が通る時だけ大きく広がる。

 食道の上部と下部には「括約筋」という筋肉があり、食べ物を飲み込むと上部の括約筋が開き、食道の壁の筋肉が波のように蠕動運動をすることで強制的に運ばれ、出口に着くと下部の括約筋が開く仕組みになっている。飲み物の場合は蠕動運動ではなく、重力によって胃に運ばれる。

 しかし、通常は食べ物が通過する時以外は閉じている下部の括約筋が加齢や生活習慣などの原因で緩むと、胃液や食べたものが胃から食道に逆流することがある。

 すると、胃液に含まれる「胃酸」の酸度は非常に強いため、食道は胃と違って胃酸の強さに耐えることができず炎症を起こす。

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