ビートルズの食生活から学ぶ健康

いまもポールとリンゴが元気な理由は「菜食中心の食習慣」

若いころは菜食主義とは無縁だった(C)共同通信社

 また、オックスフォード大学の研究チームは「大腸がんに関する研究」を2004年9月に発表しました。調査開始時、平均年齢33歳を対象に50歳時における大腸がん以外の大腸の病気の発症についても追跡調査を行いました。大腸がんについては、菜食主義者と非菜食主義者での大きな差は認められませんでしたが、がん以外の大腸の疾病に関しては、菜食主義者の発症リスクが低いことが判明しました。

 また果物や野菜、パンなら精製していないライ麦パンを日常的に摂取している群では、そうでない群に比べて大腸の疾病発症の確率が低下するという結果が得られました。菜食主義者と非菜食主義者が日常的に摂取している食材の違い、また肉類の摂取の有無が要因と考えられます。また、ほかの研究でも、菜食主義者のほうが非菜食主義者よりも心肺、血管などの障害やがん発症のリスクが低いことが指摘されています。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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