サッカーは世界的に人気のあるスポーツですが、注目を集める試合の多くは欧州で行われています。
そのため、アジアのサッカーファンは、欧州で開催される試合を生中継で視聴する場合、深夜まで起きている必要があります。
たとえば、最も人気のあるサッカークラブのひとつである「マンチェスター・ユナイテッド」(イングランド)が現地時間の午後8時に開始した試合を生中継で観戦する場合、東京では午前5時まで起きていなければなりません。
夜更かしをしてサッカーの試合を観戦することは、当然ながら寝不足の原因となります。
睡眠不足は注意力の低下を招き、交通事故の危険性を増加させますが、欧州で開催されたサッカーの試合と、アジアにおける交通事故との関連性を検討した研究論文が、英国医師会誌の2020年クリスマス特集号に掲載されました。
この研究では、シンガポールで発生したタクシーが関与する4万1538件の交通事故、台湾で発生した181万4320件の交通事故、そして欧州で開催されたサッカーの試合1万2788件のデータが解析の対象となりました。平均市場価値で評価された試合の注目度と、交通事故の件数が比較されています。
その結果、シンガポールのタクシー運転手では、試合の平均市場価値が1億3474万ユーロ(約171億円)増加すると、交通事故が1件増加し、台湾のすべての運転手では、試合の平均市場価値が約799万ユーロ(約10億円)増加すると、交通事故が1件増加するという結果でした。
注目を集める試合の平均市場価値は7億ユーロを超えることもあるそうです。交通事故の原因はさまざまではありますが、夜遅くまで試合を観戦していた人は、その日はクルマの運転を控えるか、より注意深く運転する必要があるかもしれません。
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