それから3日ほどたったある日、自宅の台所に「今あるがんが消える」というタイトルの単行本が置いてあることに気づきました。Hさんは「妻が買ってきたのだろう」と思いましたが、ほかにも「がん」に関する古い本が数冊揃っていました。
Hさんは「がんが消える? 本当か? ウソを書くなよ」などとつぶやきながら開いてみます。
すると、「レモンでがんが消えた!」という見出しのページには症例の写真があり、「抗がん剤治療と食事療法を併用して2年余り、胃がんは1/4にまで縮小、肝臓やリンパ節の転移は消え、手術の見通しがついた」と書いてありました。
Hさんは即座に「これは抗がん剤治療が効いただけで、レモンでがんが消えたわけではないだろう」と感じました。
他のページをめくってみると、同じような症例ばかり紹介されています。「ニンジンでがんが消えた!」では、肺がんに対する抗がん剤と放射線治療に加えて食事療法を併用、「りんごでがんが消えた!」では、食道がんに抗がん剤と食事療法を併用し、手術と根治の見込みが立ったとあります。
がんと向き合い生きていく