最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

輸血も在宅で可能 不快症状が改善して余命が延びる人もいる

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それは、急性骨髄性白血病と診断された70歳の男性の患者さん。病院に入院し寛解導入療法という、骨髄中に増えた白血病細胞を死滅(寛解)させ正常な血液細胞を増やす強力な抗がん剤治療を受けたものの、寛解とはなりませんでした。

 病状が進行し、さらには肺炎を併発するなどして入退院を繰り返すことになったのですが、本人の希望で在宅で治療を受けることになりました。貧血と血小板減少がひどかったため、その病状に合わせた赤血球と血小板の輸血を、在宅で行うことになりました。

 肺炎発症を回避するために、抗生剤も投与しながらコントロール。好きなテレビを見たり、家族と一緒に食事をしたり。家の中でリラックスした状態で治療を受けられたのがよかったのでしょうか。在宅医療開始時には「余命1カ月ほど」と言われていたのが、半年ほど頑張ることができ、最期は眠るように旅立たれました。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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