新型コロナ「軽症だったのに急に悪化して死亡」を防ぐ準備

本来は手術中などに使われる医療機器(円内)/(C)日刊ゲンダイ

 コロナ関連のニュースで「酸素飽和度」という言葉がよく出てくる。この酸素飽和度が、パルスオキシメーターで測定できる「血液中のヘモグロビンにくっつく酸素の割合」になる。

「普通、酸素飽和度は96~98%くらい。これが95%未満になると、正常より体の中の酸素が少ない状態で呼吸不全の疑いがあり、90%以下になると呼吸不全と言えます。酸素飽和度90%未満は在宅酸素療養の適用です」

■幸せな低酸素血症

 コロナ関連ニュースで「酸素飽和度」と並んでよく出てくる言葉が「低酸素血症」で、酸素飽和度が90%を下回った状態を指す。動脈血に溶ける酸素の量が著しく少なくなるため、体の隅々に酸素を送れなくなり、最終的には命に関わる。

 コロナ感染で無症状や軽症だったのに急に容体が悪くなるケースをアメリカの学術雑誌「サイエンス」が「ハッピーハイポキシア(Happy hypoxia=幸せな低酸素血症)」と呼び、世界中に広まった。

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