医者も知らない医学の新常識

一流医学誌で報告 男性ホルモン治療で糖尿病が予防できる

写真はイメージ

 糖尿病(2型糖尿病)は生活習慣病で、日本でも国民病と言っていいほど増加している病気です。糖尿病は体質と環境要因が合わさって起こると考えられています。

 その原因の一つは食べ過ぎによる肥満です。肥満では多くの変化が体に起こりますが、その一つが男性での男性ホルモン(テストステロン)の低下です。そして、肥満で男性ホルモンが低下している人は、より糖尿病になりやすいということも分かっています。

 それでは、男性ホルモンが低めの男性で肥満の人に、男性ホルモンの治療を行うと、糖尿病が予防できるのでしょうか?

 今年の「ランセット」という一流の医学誌に、カナダで行われた臨床試験の結果が報告されています。

 50~74歳の肥満した男性で、糖尿病の予備群や軽症の糖尿病のある人に、男性ホルモンの注射を定期的に行います。それを2年間継続して、打たない場合と比較したところ、糖尿病の発症が4割以上低下していました。つまり、男性ホルモンに糖尿病予防効果が期待できる、という結果です。

 ただ、ホルモンを使用した男性では、血液の比重を示すヘマトクリットという数値が、未使用より高くなっていました。血液が濃くなり過ぎると、血栓症などの危険が高くなります。男性ホルモンの治療には有効性がありますが、危険性もあり、今後より詳しい研究が必要であるようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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