秒速薬膳でアッという間に健康に

「血」を補い「腎」の機能をアップさせて薄毛を改善する

ひじき、ツナ、ホウレンソウの育毛サラダ
ひじき、ツナ、ホウレンソウの育毛サラダ(C)日刊ゲンダイ

 なんだか最近、おでこが、頭頂部が、後頭部が寂しくなってきたような……。気になる頭髪ケア。外からだけではなく、しっかりと体の中から「毛を接着して耕す」ダブルの食養生で、育毛を心掛けることが大切です。

 まずは「今、そこにある毛」を食い止めましょう。「抜け毛」対策で重要なのが「血」。意外かもしれませんが、中医学では「血」は髪の維持や成長に関係していると考えます。古くから「髪は血の余り」=「血余」といわれ、血に余裕があれば髪の状態や量も良く、血が不足すると髪が痩せて細くなり、コシがなくなり、ひいては抜け落ちてしまうのです。

 また、血は脳の疲労や目の疲れで激減します。そして睡眠不足も血の不足の原因に……。企画書と格闘してPC画面をにらんで深夜まで残業した揚げ句、毛が消えた! などという、泣くに泣けない事態を防ぐには、血を補う食材を取り入れることが大切です。

 おすすめはホウレンソウ。血を増やし、髪にたっぷりと栄養を補給してくれます。そのほか野菜ではニンジン、肉はレバー、魚はカツオやマグロが改善に役立ちます。また、レーズンやプルーンも脱毛防止食材。おやつにどうぞ。

 そして、増毛のカギとなるのは、老化をつかさどる「腎」と呼ばれる臓器です。腎の機能がアップすることで頭髪にも若さがみなぎります。

 そんな「育毛食材」は海藻類。昆布、のり、ひじき、わかめ、もずくなどの海藻類は、中国ではご長寿食材とされ、腎の働きを高めて増毛に威力を発揮します。白髪の改善にもおすすめです。特にひじきは、血を補う効果もありダブルのパワーで「頭部の耕しケア」に貢献します。

 また、黒ゴマも育毛パワー絶大な食材です。その効能は「潤膚烏髪」。腎の働きをアップして肌をつやつやにするとともに、カラスのように黒々と豊かな毛髪を育むとされています。

 食卓に常備してこまめにふりかけ、「増毛めし」化を図りましょう。

■薄毛改善薬膳レシピ
ひじき、ツナ、ホウレンソウの育毛サラダ

 血を増やすホウレンソウとカツオで抜け毛対策。ひじきと黒ゴマでしっかり増毛を図る「育毛サラダ」。ホウレンソウはサラダホウレンソウ、カツオはツナ缶、ひじきは市販の煮物を使ってスピードアップ! しかも大抵、ひじき煮にはニンジンが入っているので育毛度が見事にアップ! ニンニクが効いた粒マスタード入りのドレッシングで、ひじき煮が洋風な味わいのサラダに変身。ホウレンソウがおいしくいただけます。ワインのつまみにもおすすめ。

【材料】1人分
●サラダホウレンソウ  1把
●ツナ缶(小)  2分の1缶
●ひじき煮物(市販)  80グラム
●黒すりゴマ  大さじ1
●ドレッシング(レモン汁大さじ1、オリーブオイル・酢大さじ2分の1、粒マスタード小さじ1、ニンニクすりおろし少々)

【作り方】
 ひじき煮物とツナ缶の身を混ぜ、器に食べやすく切ったサラダホウレンソウとともに盛りつけ、混ぜ合わせたドレッシングをかける。

池田陽子

池田陽子

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

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