ビートルズの食生活から学ぶ健康

そして、ポールとリンダ夫妻は本格的な菜食主義を選んだ

菜食主義は、動物愛護がきっかけだった(C)ロイター/MPTV

 ポールはそのことが忘れられなかったのか、後に「メアリーの子羊」という美しい曲を発表しています。1970年代初め、ポールとリンダの食生活は“肉を取らない”スタイルに変わりました。第一に動物愛護への思いからだったことがうかがえます。

 2人は、肉類はもちろん、魚類も取らない菜食主義者になりましたが、子どもの食育についてもリンダは明確に答えており、ポールとの間にもうけた子どもたち全員(1男2女)をベジタリアン食で育てたようです。

 リンダは、その後、ベジタリアン向けの料理本の執筆、冷凍食品の開発、監修なども手掛けることになります。ちなみに、ポールとの間に生まれた娘ステラは後年、ファッションデザイナーになりますが、彼女の作る服には動物の皮革は一切使われていません。

■健康リスクを高める赤身肉の過剰摂取

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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