新型コロナウイルスは感染者の飛沫(ひまつ=せきや、くしゃみをしたときに出る細かい水滴)を吸い込んだり、飛沫が付着している環境表面を手で触れ、その手で口や鼻などを触ることで感染します。また、感染者の便の中に新型コロナウイルスが排泄(はいせつ)されたとの報告もあり、トイレの水を流す際にウイルスが舞い上がり、それが感染のリスクとなる可能性も指摘されています。
そんな中、環境科学に関する国際誌の2021年1月号に、トイレなどの環境表面におけるウイルスの検出状況を調査した研究論文が掲載されました。
この研究では新型コロナウイルス感染患者が入院している隔離病棟の環境表面から107個の検体サンプルを採取し、新型コロナウイルスが付着していたかどうかが調査されています。なお、採取されたサンプルは隔離病棟のトイレ(浴室、洗面台と一体型)から37個、隔離病棟のトイレ以外から34個、隔離病棟以外から36個でした。
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