役に立つオモシロ医学論文

新型コロナ感染対策 公衆トイレの利用で気を付けることは?

手で触れる頻度が高いところは要注意

 調査の結果、107個のサンプルのうち新型コロナウイルスの陽性反応を認めたのは4個で、病室のドアノブから2個、便座カバー、浴室のドアノブからそれぞれ1個でした。また、弱いながらウイルス陽性を認めたサンプルは3個あり、便座、洗面台の蛇口レバー、浴室天井の排気ルーバー(通気口)からそれぞれ1個でした。

 便座やドアノブ、洗面台の蛇口レバーなど、手で触れる頻度が高い場所からウイルスが検出されているようです。新型コロナウイルスは環境表面で9時間から数日にわたり生存できると考えられています。駅や飲食店などの公衆トイレに限らず、電車のつり革や階段の手すりなど、不特定多数の人が触れる頻度の高い場所を触ったあとは、しっかり手を洗うことが大切です。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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