「老衰」が日本人の死因3位に浮上 なぜ増えているのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、なかには映画のワンシーンのように眠るように逝くケースもある。先月12日に亡くなった作家・半藤一利さんの死因も老衰で、死の直前まで30分ほど奥さまと会話していたという。07年に亡くなった宮沢喜一元首相も亡くなる日の朝まで新聞を読んでおり、気が付いたら亡くなっていたという。

「老衰死が理想の死と言われるのは、本人も周囲の人も、命を使い切った、生き切った、と思えるからでしょう。家族にとっても突然死と違って、亡くなるまでの時間があるため、死を受け入れやすいのかもしれません。ただし、老衰死した人の場所は病院、老人ホーム、介護老人保健施設、自宅が多いのですが、最近は長期間入院できないことや親の面倒を見られる広い自宅や家族がいないこともあり、病院や自宅は減ってきています」

 幸せな死を迎えるには死を見守ってくれる環境も必要となる。やはりある程度まとまったお金も必要ということか。

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