コロナ第3波に備える最新知識

コロナで嗅覚障害が…中高年は匂いを失うとどうなるのか?

写真はイメージ(C)PIXTA

 嗅覚障害が生じると腐っている食べ物を口にしたり、煙のにおいに気づかず服をこがしたり、ガス漏れに気付かなくなったりすることが報告されている。

「においがわからないと味を感じにくくなるため、食事がおいしくなくなって食欲が減退。栄養不足から免疫低下や体力低下に陥ることがあります。あるいは刺激を求めて、以前より濃い味付けのものを好むようになり、塩分や糖分のとり過ぎで高血圧や糖尿病につながることもあります」

 さらに怖いのは認知症の発見が遅れる可能性があることだ。

「認知症の原因で日本人に一番多いアルツハイマー型認知症では、短期記憶をつかさどる部位と嗅覚に関わる部位が近いため、記憶障害の何年も前に実は嗅覚障害を起こしていることがあり、多くの方はそれを自覚していません。新型コロナで嗅覚障害を起こすと、認知症をより発見しにくくなるとも考えられます。むろん、においを失ったからといって全員認知症になるわけではありませんが、そのリスクのひとつになるということです。いずれにせよ、中高年は新型コロナ禍ではときどきカレーでも食べて、嗅覚が正常に保たれているかを調べるのもいいかもしれません」

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