身近な病気の正しいクスリの使い方

高血圧のクスリを減らす止めるための4つのステップ

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 身近な病気の代表格といってもいい高血圧の治療は、「高血圧治療ガイドライン」では生活習慣の改善とともに高血圧治療薬(降圧剤)の使用も推奨されています。

 降圧剤はその作用によって「カルシウム拮抗薬」「レニン―アンジオテンシン系阻害薬」「利尿薬」「β遮断薬」の4種類に大別されます。一般的にはまず単剤(1種類)から始められ、血圧が160㎜Hgを超える場合、慢性腎臓病(CKD)や糖尿病がある場合などは、2種類以上を組み合わせて治療を行うケースもあります。降圧剤を始めたら一生飲み続けなければならないというイメージを持たれている方も少なくないのですが、症状が改善すれば、薬の種類が減ることもあります。

 薬を減量したり中止するためには、治療を最適化することが必要です。そのステップとして、①家庭でも血圧を測って記録する(朝晩2回測定。血圧手帳に記録するのがベター)②食生活を見直す(減塩)、禁煙、減酒③運動をする(代謝をあげて発汗を促す)④薬を指示通り飲む――を継続することが大切です。これらを実践して血圧をきちんとコントロールできて初めて薬を減らしたり中止できるのです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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