最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

看取るまで家族はずっと患者の側についていなくてはダメ?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 在宅医療を始めた家族が抱く不安や疑問で多いのが、医師にわざわざ来てもらわなくてもいいような、少し調子が悪くなっただけのときはどうすればいいのか? というものです。

「24時間365日対応」と聞くと、連絡するとすぐに医師が駆けつけてくれる印象があるようで、連絡をせずに我慢した結果、病状を悪化させてしまう方がいます。

 実際は「前回処方した痛み止めはまだありますか?」「30分様子を見てみましょう」といった電話口でのアドバイスで済むことも少なくありません。つまり重症化を防ぐためにも、遠慮なく相談することが大切です。もし不安や心配事があるなら、どんどん電話で聞いて解消しましょう。

 次に多いのが、在宅医療をいったん始めると、その家族は看取るまでずっと患者のそばについていないといけないのか? という質問です。

 人生の終わりが近づくにつれ、患者さんが自分でできることはだんだん減ってきます。そんな患者さんを支えなければと、可能な限り患者さんのそばにいて何かしなければと奮闘する家族もいます。しかしそれが、家族の精神的なプレッシャーになって、いわゆる“看取り疲れ”とでもいいましょうか、心身が疲弊してしまうことは結構あります。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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